一日で辞めたバイトの話

過去20個以上のバイトの中でもワースト3に入る過酷すぎたステーキ屋のキッチンスタッフ。

ハード過ぎる仕事内容と長年やってそうなベテランのおっさんが原因で辞めた。
そのおっさんは言い回しも態度も最初からうざくて警戒してた。

まず始めに3分くらい店長に説明されてたった一人で洗い場に入る。

わかるわけねーと思いながらも自分なりに作業を進める。

そして例のベテランのおっさんがやって来てあれやこれやと不親切で曖昧な指示をしてくるも、あまりにも俺ができないのを見て最終的に黙って俺の代わりに洗い場の作業をし始める。

その日の店自体はそんな忙しい雰囲気じゃなかったし教えてくれてもいいのにと思ったが、きっと目で見て覚えろって意味だったのだと勝手に想像しとく。

途中で親切な若い兄ちゃんが入ってきて指導役として自分を見てくれることに。
そんな中終盤になってそのおっさんが突然「内緒だぞ」といって煮物の料理を自分達に差し出してきた。
自分達の周りにも他のスタッフがいて、そのスタッフらは喜んでる素振りをしときながらほとんど皆、口にしない。

そりゃそうだ、洗い場で手も汚いのにスプーンもフォークもない+mazusou 

かなり厳しい職場だったので仕事中に食べてるのが見つかったらマズいことになるのでそのおっさんは食器を用意しなかったのだと思う。

周りに「遠慮しないで食べな」と言われたが「お腹空いてないんで」とだけ言ってひと口も食べなかった。

先輩バイトが頑張って素手で食べてるのを見て笑いそうなる。

結局、残ったその煮物はゴミ箱いき。

多分、おっさんはおっさんでただ口下手なだけで、その賄はまだ職場に慣れてない自分に対する一種のコミュニケーションとしての優しさの意思表示みたいなものだったのかもしれない。

けれどそういう昔から良しとされてきた風潮、真心みたいのが生理的に無理な自分にとっては辞める最後の一手に十分だった。